海鮮の類となると、財布の紐がいともたやすく緩む当ブログ。
そんな筆者が今回購入したのはこちら。

こちらははまぐりです。
お値段ですが、300gで600円。
貝としてはなかなかの強気価格ですね。
しばらくスーパーの食材コーナーをぐるぐる回りながら悩んだ末に、断腸の思いで購入。
今回は、そんな人生初購入のはまぐりについて、いつも通り豆知識をおさらいしつつ、硬くならない酒蒸しの作り方と、食べてみた正直な感想を述べていきたいと思います。
それでは、いってみましょう!
はまぐりについて
では、調理に入る前に、はまぐりについて軽くおさらいをしていきます。

はまぐりはマルスダレガイ科の二枚貝で、旬はだいたい2〜3月の春先。ちょうどひな祭りの時期に身がふっくらする、季節感のある貝です。
ちなみにひな祭りにはまぐりのお吸い物を食べるのは、対になっている殻同士でないとぴったり合わない、という性質に由来するんだとか。「一生を一人の伴侶と添い遂げる」という良縁の願掛けらしく、平安貴族はこれを「貝合わせ」という神経衰弱みたいな遊びにも使っていたそうです。
なんとも雅な貝。
ちなみに、東海道・桑名の焼き蛤は江戸時代から名物で、「その手は桑名の焼き蛤」という言葉まで生まれたほど。それくらい、昔から日本人に愛されてきた食材なわけです。
ただ、今の日本では事情がやや切なく、純粋な国産はまぐりは数を減らして絶滅危惧種。市場に出回っているものの多くは、近縁種のチョウセンハマグリやシナハマグリだったりします。筆者が買ったやつがどの国籍かは、もはや知る由もありません。
そして肝心の味。はまぐりが旨いのは、コハク酸という旨味成分が豊富なため。これは貝類に多い旨味の正体で、上品な出汁がよく出ます。
ラーメンでも、はまぐり出汁のものが時々ありますよね。
あと一点だけ注意。どうやらはまぐりは生食には向かないよう。ビタミンB1を分解する酵素を持っているので、しっかり加熱して食べる貝です。とはいえ加熱しすぎてもダメ。ここが、この食材の一番ややこしいところ。
さて、豆知識がわかったところで、調理に移っていきます。
砂抜きをする
それでは、まず砂抜きから。
買ってきたものが「砂抜き済み」と書いてあっても、できればやっておきたいところ。やり方はこちら。
水500mlに塩を大さじ1弱、だいたい3%くらいの塩水を作ります。そこにはまぐりを入れて、暗い場所で1〜3時間ほど放置するだけ。
暗くするのが地味に大事で、筆者は容器にアルミホイルをふわっとかぶせて暗所を演出しました。
ちなみに、夏場は常温だと貝が痛むので、冷蔵庫の中で行うとよいかと。

ここで一つだけ注意。冷蔵庫に入れる場合も、ラップはぴっちり密閉しないこと。貝も呼吸をしているので、窒息させてしまうと元も子もないわけです。

砂抜きが終わったら、殻同士をこすり合わせるようにして洗います。
次に、塩抜きを行っていきます。
塩水を捨てて、再度アルミをかぶせて、そのままはまぐりを一時間ほど放置します。
そうすることで、はまぐりが自分で塩を吐き出すわけですね。
これで下処理は完了。
作っていく
それでは、酒蒸しを作っていきましょう。工程はたったの4つです。
まず、フライパンか浅い鍋に、はまぐり・酒100ml・水50ml・昆布を入れます。

ちなみに、筆者は常に推している、28cm深底フライパンを使用。
チャーハンもカレーも煮物もこれ一つで作れるので当ブログでは推奨しております。
ここで一つ、地味だけど効くコツ。酒だけで蒸すより、酒100ml+水50ml+昆布のほうが汁の味が丸くなります。酒オンリーだと、味がちょっと尖ることがあるんですよね。昆布の出汁とはまぐりのコハク酸が合わさると、もうそれだけで完成された汁になります。
次に、フタをして強めの中火で加熱。沸いてきたら中火に落とします。
そして、ここがこの料理の最重要ポイント。
口が開いた順に、開いたものから皿へ取り出す。
はまぐりは、口が開いた時点でもう火が通っています。それを「全部開くまで」と全部まとめて加熱し続けると、先に開いたやつがどんどん縮んで硬くなる。はまぐりは、火を通すほど旨くなる食材ではなく、火を通しすぎるほど台無しになる食材なわけです。
目安は沸騰後2〜5分。せっかちなくらいでちょうどいい。

最後に、全部開いたら汁を味見して整えます。薄ければ醤油を小さじ1/2〜1。コクを足したいならバターを5〜10g落とすのもアリ。香りづけに小ねぎを散らせば、それっぽさが一気に増します。
味が決まったら、取り出しておいたはまぐりを汁に戻し、10〜20秒だけ温めて完成。戻して「温める」だけ。「煮る」は厳禁です。
完成したのがこちら。

食べてみる
それでは食べていきます。

まず身。これがアサリとはっきり違うところで、とにかく肉厚。一粒で満足感があります。それでいて、アサリにありがちな磯のクセが少なく、口当たりが上品。
そして旨みが、とにかく深い。豆知識で書いたコハク酸とやら、ちゃんと仕事をしていました。噛むほどに出汁がじゅわっと出てきて、これは確かにお吸い物文化が育つわけだと納得。
個人的に一番の収穫は汁のほうだったりします。はまぐりから出た出汁と昆布、酒が合わさった汁が、もう完成された一杯のスープ。正直、最後に汁を飲み干す時間が一番幸せでした。
そして肝心の「硬さ」。開いた順に取り出した甲斐あって、身はぷりっと柔らか。火を通しすぎていたら絶対に味わえなかった食感です。このひと手間、面倒くさがらずにやってよかった。
終わりに
いかがだったでしょうか。
味は文句なし。肉厚で、クセがなく、旨みが深い。下処理さえちゃんとやれば、調理自体は驚くほど簡単。火を通しすぎないことだけ守れば、まず失敗しない料理です。
では、リピートするかどうか。ここで現実的な話をします。
今回、はまぐりは600円で7つ。つまり、
一つ、86円。
……さすが高級食材。日常的にバクバク食べるには、財布へのダメージが大きすぎるわけです。
というわけで僕の結論は、「人を招くときに作ってみたい一品」。普段使いではなく、ここぞという日の貝。良縁を願う貝らしく、誰かと食卓を囲む日にこそ似合う食材なのかもしれません。
また、当ブログでは他にもいろいろと魚介に関する記事を載せているので、よければそちらもご覧をいた公開しています。
是非ともサイトをブックマークしてご覧いただければと。
それではー。







