アカカマスの塩焼きは焼き方で激変する、という話

料理

珍しい魚介類を見かけると、つい手が伸びてしまう当ブログ。

今回購入したのはこちら。

こちらはアカカマスです。

アカカマスは特段珍しい魚ではありません。スーパーの鮮魚コーナーでもよく見かける、塩焼きの定番選手です。

しかし、このカマスのすごいところは、サイズ。

なんと、30cm超えです。

最終的には体長40cmほどになるらしいものの、近場のスーパーで見かけた中ではこれが一番の大型でした。

そんなわけで、今回は、この大きなアカカマスを調理していきます。

実は以前にも一度、このアカカマスを塩焼きにして食べたことがあったりします。

そのときは、塩を振って、焼いて、はい完成。それでも普通にうまかった。塩焼きなんて、そんなもんだと思っていたわけです。

ところが今回、ちゃんと「正しい塩焼きの手順」を一から踏んで焼いてみたところ——同じ魚とは思えないほど、味が違いました。

というわけで今回は、アカカマスの塩焼きを本気で焼いた話です。下処理から焼き方のコツまで、味が激変したポイントを余すことなく紹介していきます。今回買ってきたものがこちら。

今回の主役

それでは、いってみましょう。

材料

それでは、材料の確認です。今回はシンプルそのもの。

  • アカカマス……1尾
  • ……魚の重量の1.5〜2%
  • 日本酒……少量
  • こめ油……少量

ポイントは塩。「適当にパッパッと」ではなく、魚の重量に対して1.5〜2%を計量するのが、今回の最重要ポイントだったりします。ここはあとで詳しく。

下処理

まず、下処理から。地味な工程ですが、ここの丁寧さが仕上がりの生臭さを左右します。

はじめに、ウロコを取ります。アカカマスは細かいウロコがあるので、包丁で軽くこすって落とします。次に、腹を小さめに切ってエラと内臓を取り出す。そのあと、背骨沿いの血合いを歯ブラシや指でしっかり洗い落とします。

そして最後、これが一番大事。水気を徹底的に拭き取ること。ここを雑にやると、生臭さの直接の原因になります。キッチンペーパーで、これでもかというくらい水分を拭います。

塩をして、干す

下処理が終わったら、塩をしていきます。魚全体に、重量の1.5〜2%の塩を振る。今回は1.5%で計量しました。

さらに、尾びれと背びれには少し多めに塩をつけます。いわゆる化粧塩。焦げ防止と、焼き上がりの見栄えのためのひと手間です。とはいえ、マダイほど神経質にやる必要はありません。

そして、ここが旨味を決める工程。塩を振ったら、冷蔵庫で寝かせて余分な水分を抜きます。水分が抜けるぶん、旨味が凝縮するわけです。レシピの基本は1〜2時間ですが——

今回は思い切って、丸一日、冷蔵庫で干しました。

アカカマスは大型で水分も多かったので、しっかり抜いてやろうという算段です。途中で出てきた水分は、キッチンペーパーでこまめに拭き取ります。

焼く直前には、表面に日本酒を薄く塗って5分ほど置きます。これは臭み消しと、焼き色を補助する役割。地味ですが、効いてくる工程です。

焼いていく

それでは、いよいよ焼いていきます。今回は魚焼きグリルを使用。

まず、グリルは強火でしっかり予熱しておきます。そこに魚を入れたら、皮側を上にして7〜8分。それから裏返して3〜4分。合計で10〜12分程度が目安です。

そして、ここからが究極版。焼き上がる2分前に、皮にだけ少量の米油を刷毛で薄く塗ります。

たったこれだけで、皮目が一気に香ばしくなり、パリパリの皮と、ふわふわの身という、居酒屋や旅館で出てくるあのクオリティに近づくわけです。

……と、ここまでは順調だったのですが。最後の最後で、やらかしました。

焼き上がったカマスを、グリルの網を外さずに、フライ返しだけでプレートへ移そうとしたんですね。そうしたら、

……見事に、折れました。

大きなカマスは、丸一日干してもなお水分が多く、身がかなり柔らかい。熱々の状態だと、自重で簡単にぐにゃりといってしまうわけです。取り出すときは、網ごと外して、慎重に。これは声を大にして言いたい今回最大の教訓です。フライ返し一本で挑むと、僕のように泣きを見ます。

食べてみる

身は折れましたが、味のほうは折り紙つき。気を取り直して食べていきます。

皮はパリッと香ばしく、身はふっくら。前回、塩を振って焼いただけのときとは、はっきり別物でした。水分を抜いて旨味を凝縮させた効果は、想像以上。噛むほどにカマスの上品な甘みが出てきて、皮目の風味がそれを引き立てます。やはりこの魚、皮にこそ旨味があるというのは本当でした。

そして塩加減。今回の1.5%は、ちょうどいい塩梅でした。そのままでも十分に味が決まっていて、物足りなければ追い塩をしてもいい。どちらでもおいしくいただける、絶妙な落としどころ。

終わりに

いかがだったでしょうか。

今回いちばん実感したのは、塩加減は、計量がすべてということ。「適当にパッパッ」で塩焼きをしていた過去の自分に教えてやりたい。魚の重量を量って、1.5〜2%。たったこれだけの手間で、仕上がりが段違いになるわけです。

水分の多いカマスを丸一日干して、塩を計って、皮に酒を塗って焼く。一つひとつは些細なひと手間ですが、これを全部やると、同じアカカマスがまるで違う料理になりました。塩焼きを侮っていたことを、深く反省しています。

唯一の心残りは、やはり最後に身を折ったこと。次回は必ず、網ごと外して丁寧に取り出します。皆さんもどうか、僕の屍を越えていってください。

また、当ブログでは他にもいろいろと魚に関する記事を載せているので、よければそちらもご覧をいただければと。

それではー。

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