普段は、家庭料理の限界に挑戦すべく、料理研究に没頭している当ブログ。
以前、プログラミング経験が全くない状態から、ChatGPTと一緒にシューティングゲームを作ったことがありました。
このときは、ステージらしきものを一つ完成させるだけで一週間以上。
少し機能を追加してはエラーが出て、直したと思ったら別の場所が壊れるという、古い家の雨漏りみたいな開発を続けていました。

それから2年の月日を経て、再度AIを使ってクリッカー経営ゲームの『タピオカ帝国』も制作。
こちらはゲームとして完成させることができたものの、制作期間は数か月。
とはいえ、AIの進化というものをまざまざと見せつけられている次第。
そんな中、最近「Kimi K3」という新しいAIが話題になっているのを見かけました。
どうやらコーディング能力がかなり高く、Claude Fable 5に近い性能を、比較的安く使えるとのこと。
Kimi公式も、K3でゲームを作れることをかなり前面に押し出しています。
となると、実際にどれくらいのゲームを作れるのか気になるところ。
ただ、Kimi K3だけを試しても、完成したゲームが凄いのか、それとも現在のAIならどれを使っても同じくらい作れるのかが分かりません。
そんなわけで今回は、複数のAIに全く同じ指示を与え、一発出しでどこまで完成したゲームを作れるのかを試してみることにしました。
AIに出した指示
今回、それぞれのAIに出した指示がこちら。
今から、一発出しで、最大限どこまでの完成度でゲームが実装できるのか試していきたい。
スーパーマリオブラザーズのような横スクロール型のアクションゲームを、一面、完成の状態まで作ってほしい。
それ以外の要素に関しては、君が最も面白く、商業的に成功できると思った形で、出力してもらって構わない。
そして、完成時には、どのような作品を作ったか、そのコンセプトと内容について教えてほしい。
こちらから指定したのは、スーパーマリオブラザーズのような横スクロールアクションであることと、一面を完成させることだけ。
キャラクターや世界観、ステージ構成、敵、アイテムなどは、すべてAIに任せています。
マリオをそのまま再現するよう細かく指示を続ければ、現在のAIなら、いずれ似たようなゲームは完成させられると思います。
しかし、今回はそれでは面白くありません。
指示されていない部分をAIがどう考え、どんなゲームを作ってくるのかも含めて比較していきます。
なお、順位については厳密な数値や採点表があるわけではありません。
実際に触ってみた感想をもとに、筆者の独断と偏見で決めています。
肝心のKimi K3はゲームを出力してくれなかった
今回の企画は、そもそもKimi K3のゲーム制作能力を試すために始めました。
ところが、肝心のKimi K3が全くゲームを出力してくれません。

指示を送って待ってみても、処理が始まらなかったり、途中で止まったりする状態。
何度か時間を空けて試してみたものの、結局ゲームを受け取ることはできませんでした。
どうやら話題になりすぎて利用者が集中し、無料ユーザーには順番がなかなか回ってこない状態だったようです。実際、運営側も急激な利用増加を受けて、新規利用を一時的に制限していました。
ほかのAIは早々にゲームを提出しているのに、今回の企画の主役だけが会場に現れない。
仕方がないので、Kimi K3については今回は未計測。
アクセスが落ち着いた頃に、改めて同じ指示で試してみたいと思います。
そんなわけで、ここからは実際にゲームを出力できたAIを、下位から順番に見ていきます。
ランク外:Gemini Pro
まずはGemini Pro。

今回試した中では、残念ながらランク外としました。
というのも、最初に出力されたゲームが、そもそも起動しませんでした。
一発出しの比較企画で、一発目からゲームが始まらない。
これで終了にしてもよかったのですが、さすがに画面すら映らないのでは動画にもならないので、「起動できるようにしてほしい」と修正を依頼。
二度ほど壁打ちをした結果、ようやくキャラクターを動かせる状態にはなりました。
見た目については、黒い背景にネオンカラーの足場が並んでおり、サイバー空間のような雰囲気。
プレイヤーを動かし、ジャンプして足場を進んでいくこともできます。
ここまではよかったのですが、少し進んだところで巨大な壁が登場。
当然、ジャンプして越えようとするわけですが、どう頑張っても高さが足りません。
壁ジャンプや二段ジャンプといった能力もなく、ほかの道も見当たらない。
つまり、ゲームの仕様として先に進めない状態でした。
一発目は起動せず、修正した二発目もクリア不能。
とはいえ、Geminiが不憫に思えるのも事実。
というのも、Geminiは2026年7/20現在、Proの大型アップデートを度々延期している状況です。
ClaudeのFable5やChatGPTの5.6 Solが登場したことで、そこに追いつく道を必死で模索しているのでしょう。
2000年代ゲーム市場で例えると、周囲がPS2、ドリキャスになり、新たにX BOXも到来する中、一人だけNINTENDO64で勝負を強いられているようなもので、そう考えると可哀そうな気持ちにもなります。
とはいえ、今回の条件は「一発出しで一面を完成させる」こと。
最低限、ゴールまでたどり着けないことには評価のしようがないため、今回はランク外としました。
第4位:Super Grok 4.5
続いて第4位はGrok。

使用したバージョンはGrok 4.5。
現在のGrok 4.5はコーディング用途をかなり強く押し出しているモデルです。
そんなGrokが作ってきたゲームがこちら。
見てもらえば分かる通り、今回の中では最もスーパーマリオブラザーズに近いゲームでした。
横方向へ進み、コインを集め、敵をジャンプで踏みつけて倒していく。
キノコを取ると主人公が巨大化する仕組みもあり、効果音もきちんと付いています。
クリボーらしき敵が地面に埋まり込んでいましたが、ゲームの進行には大きな影響はありません。
操作も問題なく、最後に設置されたゴールまで、きちんとプレイすることができました。
一発出しで、ここまで初代マリオに近いシステムを揃えたのは普通に凄いと思います。
数日ほど修正を繰り返せば、かなり本格的な横スクロールアクションにできそうです。
ただし、今回はこちらから、ゲーム内容については自由に考えてよいと伝えていました。
その点で見ると、Grokのゲームはオリジナリティがほとんどありません。
「マリオみたいなゲームを作ってくれ」と頼んだところ、本当にかなりマリオに近いゲームを提出してきました。
指示には忠実。
忠実すぎて、学校の課題で模範解答をほぼそのまま書き写してきたような仕上がりです。
動作の安定性は悪くないものの、独自作品としての面白さを考え、今回は第4位としました。
第3位:DeepSeek
第3位はDeepSeek。

当初はClaude、ChatGPT、Grok、Geminiの主要4サービスだけを試す予定でした。
しかし、Kimi K3について調べている中で、そういえば中国製AIとしてDeepSeekも以前かなり話題になっていたことを思い出しました。
そんなわけで、主要4サービスの比較が終わった後、追加で同じ指示を出してみることに。
後から参加したDeepSeekが作ってきたゲームがこちら。
こちらも、横スクロール型のアクションゲーム。
ただし、普通に走ってジャンプするだけではなく、時間を歪める能力が独自要素として追加されていました。
能力を発動すると周囲の時間が遅くなり、通常では突破するのが難しい敵や障害物を避けやすくなります。
マリオを土台にしながら、別のゲームとして成立させようとしている点は好印象。
操作についても特に大きな問題はなく、目立った進行不能バグも見当たりませんでした。
最後まで普通にプレイできています。
一方で、背景や足場の種類は少なく、ステージを進んでいっても、同じような場所が繰り返される印象。
ゲーム全体の見た目や演出については、上位2作品ほどの作り込みはありません。
それでも、一発出しの時点で独自ギミックを考え、最後まで遊べる状態にまとめてきた点はかなり優秀。
Grokよりもオリジナリティがあり、ChatGPTほど全体が洗練されているわけではない。
そんなわけで、後から参加してきたDeepSeekを第3位としました。
主要4サービスだけで順位を決めていたGrokからすると、突然現れた追加参加者に表彰台を奪われた形になります。
第2位:ChatGPT
第2位はChatGPT。

今回ChatGPTが作ったのは、『NEON_HACKER』というサイバーパンク風の横スクロールアクションでした。
プレイヤーはネオンカラーの小さなキューブ。
サイバー空間を進みながら、セキュリティドローンを避け、データパケットのようなアイテムを集めていきます。
ジャンプボタンを長く押すと高く飛び、すぐに離すと低いジャンプになる可変ジャンプも実装。
敵に踏みつけられたり、障害物に当たったりしたときの判定も比較的安定していました。
ゲーム全体の色やUIも統一されており、GrokやDeepSeekと比べると、かなり見栄えが整っています。
ただ、実際に触ってみると、操作感が少し硬い。
ジャンプや移動は問題なく行えるものの、Jボタンのレーザー発射とシフトボタンのダッシュを扱うにはかなり難しかったです。
(動画は、後でゲームパッド対応にしてもらったものです)
正直なところ商業ゲームのような気持ちよさがあるかと言われると、もう少し調整が必要です。
とはいえ、見た目、ギミック、ステージ構成、動作の安定性はかなり高い。
一発出しで作られたものとしては、十分ゲームと呼べる完成度でした。
あと数日から1~2週間くらいかければ、立派に中毒性のあるゲームとして成立するところまで持っていけそうな気持にさせてくれました。
第1位:Claude Fable 5
そして第1位は、Claude Fable 5。
Claudeが作ってきたのは、ラーメンの出前箱を背負った猫を操作する横スクロールアクションでした。
タイトルは『RAMEN RUSH 〜出前ねこタマの麺走〜』。
この時点で、ほかのAIより妙にゲームらしい企画ができています。
舞台は、夕暮れの商店街。
出前中の猫を操作して、敵や障害物を越えながら、ラーメンをお客さんのもとまで届けていきます。
操作自体はマリオに近いものの、世界観は完全に別物。
夕焼けの背景や建物、猫のキャラクター、ゴールとなる屋台など、すべての要素が一つのテーマにまとめられています。
さらには、効果音に加え、BGMも最初から実装済み。
グラフィックも今回の中では頭一つ抜けており、画面を見ただけで「何をするゲームなのか」が分かります。
ステージについても、最初の簡単な足場から始まり、敵、谷、上下に動く足場、少し難しいジャンプと、順番に難易度が上がるよう作られていました。
ただ障害物を並べただけではなく、プレイヤーに操作を覚えさせながら進ませようとしているのが分かります。
欠点を挙げるなら、アイテムや攻撃手段といったゲーム要素が少なく、現状では少し淡泊なところ。
それでも、一発目の時点でBGM、グラフィック、世界観、ステージ構成が揃っており、今回の中では最も「作品」になっていました。
数回壁打ちをしてアイテムや敵の種類を増やせば、普通に一本のミニゲームとして成立しそうです。
ゲームの面白さの将来性についてはChatGPTの方があるような気がしますが、作品自体のクオリティはこちらの方に軍配が上がる形でした。
終わりに
今回、複数のAIに同じ指示を与え、一発出しで横スクロールアクションゲームを作らせてみました。
最終的な順位はこちら。
第1位:Claude Fable 5
第2位:ChatGPT
第3位:DeepSeek
第4位:Grok
ランク外:Gemini Pro
そして、今回の企画のきっかけだったKimi K3は、アクセス集中により未計測となりました。
まさか比較企画を始めたきっかけのKimi K3だけ参加できないとは思いませんでしたが、利用できるようになったら改めて試してみたいと思います。
Kimi K3が本当にClaude Fable 5に近いゲームを作れるのか。
あるいは、期待値だけが高くなりすぎて、巨大な壁を越えられないゲームを提出してくるのか。
結果が出たら、この記事に追記します。
その他、当ブログではAIを使ったゲーム制作の経験談や、無料ブラウザゲームの情報についても紹介しています。
是非ともサイトをブックマークしてご覧いただければと。
それではー。







