スーパーの一角で甘い香りを放ち我々を誘惑してくる存在。
そう、焼き芋。
秋の味覚である焼き芋ですが、恥ずかしながら私はこれまで食べたことがありませんでした。
しかし、この秋、初めて焼き芋を食べる機会がありました。
結論、一口食べた瞬間、世界が変わりました。
これまでさつまいもに抱いていたイメージを一変させるようなトロトロ食感と、糖蜜とはまた違った柔らかな甘さ。
気づけば焼き芋の虜になっていました。
数度に渡りスーパーで焼き芋を買い、むさぼり食う日々。
そんな最中、ふと思いました。
この焼き芋、家で作れないのか?、と。
様々な再現料理をしてきた当ブログですが、スーパーのような焼き芋もまた、再現可能ではないのかと。
今回は、焼き芋の魅力に取り憑かれた男の、そんな試行錯誤をお届けできればと思います。
ちなみに、結論スーパーの焼き芋を買うことがなくなる程度の正解は見つけることができたので、どうぞ最後までご覧いただければと思います。
100℃で90分、200℃で30分焼く方法
どんなことにも先駆者はいるもので、家焼き芋に関しても、検索をかければ先人の知恵に行き当たりました。
その中の一つが、100℃で90分焼き、その後200℃で30分焼くというもの。
その前には塩水で1時間浸けたほうがいいとあるので、合計3時間に渡る長時間調理です。
これだけの時間をかけるのは、100℃のあたりで長時間焼くことで、芋のデンプンが甘みに変わっていくためだそう。
しかし、あの焼き芋の魅力のことを思えば、それだけの時間をかける価値はあります。
まずはこちらで試していきます。
今回、全ての実験には紅はるかという品種を使っていきます。
スーパーの焼き芋を渡り歩いた結果、自分はホクホク系よりもネットリ系の芋のほうが好みだったのと、お値段もお手頃だったわけですね。
さて、そんな紅はるかにフォークでプスプスと穴を開けて、塩分濃度3%の塩水に浸けて1時間放置していきます。
そしてアルミホイルに包んで100℃で90分焼き、その後200℃で30分焼いていきます。
そして、肝心の焼き上がりですが、なんと撮り忘れました。
痛恨のミス。
まぁ、一番近い画像で言うとこんな感じです。
正直なところ普通の蒸かし芋とさほど変わらず、芋によっては十分に火が通っておらずボソボソとしていていました。
おそらく、100℃の加熱の時点でさつまいもの芯まで火が通らなかったのでしょう。
原因はさつまいもが太かったのか、アルミホイルが分厚かったのか。
いずれにせよ、この方法での再現は諦めました。
150℃で90分焼く
次に試していくのが、150℃で90分焼く方法。
こちらはアルミホイル内に水を入れて、150℃で長時間蒸し焼きにしていこうという作戦です。
前回のものに比べて調理時間が30分短縮されているのがありがたいですね。
同じように塩水に漬けてからアルミホイルに包んでいきます。
そして、アルミホイルの中に少量の水を加えていきます。
それからオーブンで150℃90分加熱します。
家庭用のオーブンで90分のタイマー機能はなかなかないと思うので、調整が必要です。
そして、出来上がりがこちら。
芯までしっかり火が通っていて、紅はるかの焼き芋特有のねっとり感もあります。
また、食べた感じは甘露煮のようなしっとりした食感で、焼き芋らしい強い甘さが広がっていきます。
これは非常に美味しいです。
ちなみに塩水に漬け込まない方法でも調理をしましたが、甘味が弱い気がしました。
300℃で45分焼く
最後に試していくのが、300℃で45分間焼いていく方法。
これはネットにあったわけではないのですが、最近購入したオーブンレンジのレシピブックに付いていたものでした。
レシピによると、さつまいもにフォークでプスプスと穴を開けた後、300℃で45分間加熱するだけで焼き芋が出来上がるとのこと。
これを目にした時、流石に思ったわけです。
冗談言ってるんじゃないわよと(なぜかオネエ)
こちとら焼き芋焼くのに3時間かけてるわけです。
それを、なにが45分だと。
だいたい、300℃なんて高温で加熱処理なんぞしたら、でんぷんが糖に変わる前に火が通り切ってしまうじゃあないか。
しかもアルミホイルもなしだって?
Hey!聞いたかロバート。こいつぁ傑作なジョークだ!(なぜかアメリカン)
とまぁ、そんな半信半疑な思いの中、嘲笑気味にプスプスとさつまいもにフォークを突き刺していきます。
そしてオーブンに入れること45分。
出来上がりがこちら。
まぁ、当たり前ながら見た目は焼き芋です。
開いてみると、こんな感じ。
あれ?
なんか、めっちゃ本格的……………。
いただきます。
…
……
………
うん。
あれだわ。
完全にスーパーの焼き芋でした。
スーパーもこの調理法でやってるのだろうと確信するくらいの出来栄え。
まさか、これまで仕入れた焼き芋の知識と相反するところに答えがあったとは。
もうこれ以外の焼き芋の調理法を試すことはないでしょう。
というか、もう全人類がこれで焼き芋を作ればいいのではないでしょうか。
そんなわけで、終わります。
終わりに
いかがだったでしょうか。
最後に試した300℃で45分という、時短なレシピがまさかの一番美味しいという結果に終わってしまいました。
しかしながら、300℃の温度設定ができるオーブンは限られてくるため、その場合は150℃で90分のものがおすすめ。
皮の感じや身の食感こそ違うものの、味はそれなりに近いものが出来上がります。
ちなみに今回300℃で45分加熱の際に使用したのは東芝の石窯オーブンレンジです。
55,000円くらいの代物ですが、「焼き芋がいつでも食べられる」という精神的安定を買うと思えばむしろ安いでしょう。
気になった方は購入してもらえればと。
それではー。