YouTube、TikTok、ニコニコ動画と、世の中には数多くの動画サイトが存在するわけです。
そしてそれらには星の数ほど動画が登録されていて、その中で数百万回再生される動画というのはごく一握りだったりします。
そこで、我々にはごく自然な疑問が生まれるわけです。
「一体どんな動画ならバズるわけ?」、と。
今回たまたま読んだ本が、これまでの動画の歴史とバズってきたに動画について触れていたので、紹介したいと思います。
それがこちら。
『動画2.0』という本。
これは、ONE MEDIAという動画制作会社を経営している明石ガクトさんが、自身の学生時代から社会人を経て会社を立ち上げ現在に至るまでについてや、「動画と映像の違い」について書かれている本です。
今回は、個人的に学びになった、「YouTubeから今に至るまで、どのような動画が流行ってきたのか」という点について、触れていきたいと思います。
それではいってみましょう!
動画の変遷
明石さんは動画の変遷として、時代を3つに分けて紹介しています。
ファーストウェーブ
YouTubeが生まれた2005年から、YouTuberが流行る2014年まで。
YouTubeが生まれて、「自分がカメラの前でしゃべって何かをする」という文化を浸透させ、YouTuberという多くファンを抱えた配信者も生まれた時代。
この時代は、配信者がコツコツ汗水流して動画を制作して、地道にファンを獲得していく。逆に視聴者は、お気に入りの配信者を探して、見つけると新作が出るたびに観る。
これは、コーヒーで例えると個人の喫茶店。
お気に入りの喫茶店を探すように、好きなYouTuberを見つけたら、それを毎日観る。
「このYouTuberの動画を見たいから動画を観る」という動機になるのがファーストウェーブの特徴。
セカンドウェーブ
Facebookが動画に対応した2015年から、料理の早回し動画が流行った2017年まで。
YouTubeのように「検索」から動画にアクセスして視聴してもらうのではなく、SNSのタイムラインに動画が流れてくるようにして、視聴数を稼ぐ時代。
YouTuberはコツコツと地道にファンを獲得して再生数を稼ぐのに対して、この時代はSNSのタイムライン上に表示させるために、とにかく大量の動画を制作した時代。
仕組み化による大量生産。そのため、動画のスタートアップ企業がこの時代活躍した。
その代表格が、tastemadeといった「料理の早回し動画」。
サードウェーブ
Facebookがアルゴリズムを変更し、セカンドウェーブ時の大量生産のやり方が通用しなくなった現在に至るまでの時代。
Facebookがどうしてアルゴリズムを変更したかというと、大量生産の動画ではなく、「SNS上でコミュニケーションが生まれるような本物の動画」だけを表示させるため。
会話を生むような(=口コミで広がっていくような?)動画が求められる。
また、TikTokといった新たな動画サービスも続々生まれるなかで、同じ動画が別動画サービスでも受け入れられるわけではないため、それぞれに合った形で動画を出していく必要がある。
重要なのは、「自分の世界観を持つこと」
では、どんな動画、或いはどんな配信者がこれからバズっていくのかというと、「自分の世界観を持っているもの」だとのこと。
技術が革新して動画制作が簡単になった今重要なのは、自分にしか表現できない世界観を出していくこと。
今の中高生のTikTokの動画を観ていて明石さんが驚かれるのが、「小学生や中学生の方がセンスがいい」とのこと。
大人よりもずっと、今あるプラットフォームに合った形の動画を出せている。
自分にしか出せない動画を、プラットフォームに合わせた形のものにして出していくことが、これからは重要。
終わりに
いかがだったでしょうか。
視聴者からすると、それほど深く考えていなかった動画サイトの流れも、プロから見るとこんな感じなんだなぁ、とすごく学びになりました。
あとは、僕が大好きだったニコニコ動画が何故ここまで衰退してしまったのかもちょっと触れていただけると嬉しかったです。
(アル中カラカラさんまた動画出してくれないかなぁ。。。)
ちなみに本著で語られている明石さんの学生時代から現在までのエピソードもとても魅力的なので、気になった方はぜひ書店で手に取っていただければと思います。
それではー。