稲盛和夫の『生き方』を読んだから、生き方について考えてみる

書籍

人生は一度きり。その人生をいかにして生きるかというのは、いつの世も命題なわけです。

今日は、稲盛和夫さんの『生き方』という本を紹介したいと思います。

稲盛和夫さんといえば、言わずと知れた日本の大経営者で、京セラとKDDIという、今なお日本をけん引する大企業を立ち上げたことで知られています。

この本は、そんな稲盛さんが出家をしてから書かれたもので、前半は自らの起業経験からなる成功哲学、後半は仏教の引用を交えた人生観について紹介をしています。

今回は、そのエッセンスをまとめる感じでいこうかなと思っています。

さて、実はこの本、かつて勤めていた会社の同期の女の子が貸してくれたものでした。

社会人一年目で右も左もわからずダメダメな僕に、「シュウに足りないのってこれだよねー」と貸してくれたのがこの『生き方』だったわけです。

しかし、借りたはいいけど毎日朝から23時まで働いていたあの当時、とても読むヒマはなく、そのうちにその子も退職することになり、返せずじまいになってしまいました。
(今はアフリカで暮らしてるらしいですが、元気にしてるかなぁ……)

そんな数年越しに手に取ったこの『生き方』ですが、読んだところ、たしかにすごく考えさせられるところがありました。
(ちなみに、この本に書かれていた要素は僕には今もまだ足りてないままでした笑)

思い出話はさておき、それでは内容に入っていきましょう!情熱をもって取り組め!

強く思い描いて、情熱をもって取り組め!

前半部分では、「心に描いたものが実現になる」という、引き寄せの法則に近い内容について触れられています。

物事を成し遂げるためには、その願望を「寝ても覚めても強烈に思い続けることが大事」だと稲盛さんは言っています。

さらに、目標を達成した姿をカラーの映像でビジョンできているか、すみずみまでイメージできているか。

KDDI(の前身であるDDI)が携帯電話事業を始めるときも、構想の段階から、稲盛さんは携帯の契約料金や基本料金、通話料の将来の料金設定まではっきりと予想できていたよう。そして、実際にそれに近い価格で事業が始まったとのこと。

そして、イメージしたら、詳細なまでに計画を練ること。稲盛さんはそのために、新しい構想を相談するときの相手を選んでいるとのこと。

構想の段階では、「いいですね、ぜひやりましょう」と無邪気に喜んで賛同してくれる人を選び、いざ計画を練っていくとなると、物事に悲観的な人の意見も取り入れて、慎重かつ細心の注意を払って、厳密なプランを組めるようにするとのこと。

そして実行に移すとなると、再び楽観的に実行する。

そして、諦めずに創意工夫を行って一生懸命に行っていけば、必ず物事は大成するとのこと。

稲盛さんがまだ京セラを立ち上げてまだ間もない頃、あるセラミックスの製品の開発中、実験炉で焼いていると製品がスルメを炙ったように曲がるということが起こったそうです。

しかし、稲盛さんはそこで諦めず、実験を繰り返し、その結果、「製品に耐火性の重しを乗せて焼く」という答えに行きついたようです。

その出来事から、「答えは常に仕事の現場にあるということ」と、その答えを見つけるためには「誰にも負けない思い入れや情熱が必要であること」を学んだそうです。

困難なことがあっても逃げずに向き合い、「一日一日をど真剣に生きる」。その重要性を、稲盛さんは繰り返しこの本で述べています。

人生の方程式は、「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」

この本の中で稲盛さんは人生の方程式として、「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」というものを提示しています。

「能力」とは、先天的な才能や知能、健康や運動神経。

「熱意」は事をなそうとする情熱や努力する心のことで、これは後天的に得られるものです。

そして「考え方」は、心の在り方や生きる姿勢、哲学や理念や思想などのこと。

これらの中でも、「考え方」の部分が最も大事だと、稲盛さんは述べられています。

というのも、「考え方」にはポジティブなプラスのものもあれば、悲観的なマイナスの考え方もあります。いくら能力があって熱意をもって取り組んでいても、考え方がマイナスだと、結果はマイナスになってしまうとのこと。

熱意と能力があっても、その方向性があっていなければ、人生や仕事の結果は出ない。

この部分を読んで、個人的にも考えさせられるところがありました。

というのも、今の日本はバッシング社会で、Twitter等SNSを見てみると、少しでもなにかあるとすぐにネット記事になったり、批判が飛んできて炎上します。

実際、それは日本人の性格が悪いわけではなくて、不景気の空気や会社でのストレスやらで日本人ひとりひとりが病んでいて、それが経済や社会全体に影響を与えているんだろうなぁ、と。

心理学で、「抑圧の移譲」という考え方があります。上から受けた抑圧を発散するために、自分より下の者を抑圧するという人間の心理のことです。

それが今の日本全体に起こっていることだと思います。

そうしたネガティブなマイナスの考え方であるために、人を巻き込めるだけの文才や熱意を、人の誹謗中傷に使ってマイナスの結果を生み出しているんだなぁと、この本を読んで思いました。

話が盛大に逸れましたね笑

では、次にいってみましょう。

人を惑わせる三毒

ここから仏教的な部分に入っていきますが、百八つある煩悩のなかでも、人間を苦しめる元凶となる三つのものが「三毒」と呼ばれているそうです。

三毒とは「怒り」、「欲望」、恨みや妬みといった「愚痴」の三つ。

稲盛さんの孫たちでも、一方を可愛がると、一方は嫉妬の素振りを見せるようです。まだ二、三歳でも、既に煩悩に毒されている。

人生を台無しにするこれらの対策は「欲から離れる」ことですが、それは悟ってでもいない限り完全にはできない。

ならどうすればいいかというと、「物事を理性で判断する」ということ。

「その思いには欲や私心はないか」と自問し、それが欲に基づいた判断なのか、理性に基づいた判断なのかを考えることが重要だと、稲盛さんは述べられています。

スキャンダルや暴言やハラスメントで失脚させられている政治家が多いことからみても、この三毒は考えさせられるものがあります。

心を磨き、魂を高めるための「六波羅蜜」

前の項で「人生の方程式で最も大切なのは考え方」とあったとおり、この本で重要なところは、最終的には心を磨いて高めるところにあります。

そのために、この本では心を磨き、魂を高めるための菩薩道の修行である「六波羅蜜」という6つの行いを紹介しているので、簡単にまとめておきます。

①布施
⇒世のため人のために尽くす利他の心を持つこと。
 これは施しを与えることだけでなく、そのような優しい心を持つことも含まれている。
 利他の心が与えるメンタル上のいい影響については、科学的にも明らかになっているところですよね。

②持戒
⇒人間としてやってはならない悪しき行為を戒め、戒律を守ること。
 前項の欲望、愚痴、怒りの三毒から逃れるために煩悩を抑えて自分をコントロールしていくこともここに含まれています。

③精進
⇒何事にも一生懸命に取り組むこと。努力。
 「誰にも負けない」と思えるくらいの努力が、精神を高める。
 これは前の項目でも話がありましたね。

④忍辱←「にんにく」と読むそう
⇒苦難に負けず、耐え忍ぶこと。苦難に見舞われても、逃げることなく努力を重ねることが、心を鍛え、人間性を磨くことにつながる。

⑤禅定
⇒瞑想のこと。今でいうマインドフルネスですね。
 常に時間に追われ忙しい日々を送りがちだけれども、どんな多忙のなかにあっても、時間を見つけて心を静めることが重要とのこと。

⑥智慧
⇒以上の布施、持戒、精進、忍辱、禅定を努めることによって、智慧、悟りの境地に達することができるとのこと。

おわりに

以上になります。

いかがだったでしょうか。

僕は、「わかってはいるんだけど、そんなに熱中できるくらい取り組めないから困ってるんだよー」と思いました笑

めっちゃ学びにはなったんですけど、やっぱり僕のような先延ばし屋には、耳の痛い内容だったりしたわけです。

そんな僕のような先延ばし屋は、先延ばし思考の記事や、習慣術の記事などを見てみてはいかがでしょうか。

ただ、この本を読んで僕も動かされる部分があったので、とりあえずがんばって記事を書いていきたいと思います。

それではまたー。

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