今日は、かの第45代アメリカ合衆国大統領、ドナルド・トランプの著書『トランプ 最強の人生戦略』を紹介します。
ドナルド・トランプは今や毎日お茶の間で見る人物になっちゃったので、もはや紹介する必要もないでしょう(笑)
この本は、そんなトランプが大統領選に出馬をする数年前、2007年に出版されたもので、タイトルの通り、トランプが不動産業界で成功してきた中で大切にしていた考え方やルールについて説明しています。
これといった中心のメッセージがあるわけではなく、トランプの大事にしている考え方等がバラバラと項目に分けて盛り込まれています。
これを要約しても、ありがちな成功哲学の羅列みたいになっちゃうので、個人的に学びになったところを3点だけ紹介する感じにしていこうかなと思ってます。
それでは、さっそくいきましょう。
■人の心を掴むには「共通項を探せ!」
この本の中で、とある日のトランプの一日のスケジュールが紹介されているのですが、見る限りだいたい人と会ってるか、電話で話をしてます。しかもそれぞれ違う仕事の話で、「さすがトランプだなー」といった感じ。
それも本人曰く、「自分にとっては電話をすることが一番効率のいい仕事の仕方だ」とのこと。
そんな人と関わることの多いトランプですが、商談でも、一対一の人間関係でも、観衆に向けた講演でも、人の心を掴むために共通して大事なことがあるとのこと。
それは、「相手を見極め、共通項を見つける」こと。
相手がどんな人物かをリサーチして見極め、そのうえで自分との共通点をみつけることです。
かつてトランプはとある商談がうまくまとまらず、交渉が決裂してしまいそうなことがあったそう。
そのときトランプがその日の商談を思い返してみると、相手に対して嫌悪感を抱いていることに気づきます。
そして、そのまま決裂で終わりそうになったとき、交渉相手が「ゴルフが好き」ということを知ったそうです。
トランプ自身も、自分でゴルフ場を経営するくらいゴルフは大好き。
そのため、次の交渉の際に冒頭でゴルフ談義をすると、みるみるうちに場の緊張がほぐれ、結果的にスムーズに取引がまとまったとのこと。
同じように、コメディアンも、まず舞台に上がった時に、聴衆を見極めることから始めるようです。
そのうえで、その日の観客に合った話し方を変え、出だしに観客と関係のある話をする。
それによって、仲間意識ができ、そのあとは何を言ってもバンバンウケるとのこと。
交渉の際は、自分の気持ちや考えばかりを伝えようとしてしまいがちだけれども、まず相手の話を聞く姿勢をとって、そのうえで相手を見極めて、自分との共通項を見つけると、相手の心を掴めるようです。
■徹底的に研究しろ!
物事に着手するときは、あらゆる知識、情報を集めて、徹底的に研究すべきとのこと。
ビジネスに失敗はつきものだけれども、徹底的に知ることで、失敗のリスクを最大限まで減らせる。
研究することのメリットはそれだけではなく、知識を増やし始めると、理解力が向上し、専門知識が増え、興味が情熱に変わる。
さらに、みんなからアドバイスを求められるようになる。そうなると、お返しとしてこちらの頼みを喜んで聞いてくれる。
それに加えて、知識を身に着けると、なにをしても面白く感じられるし、自分自身が面白みのある人間になれるとのこと。
これだけメリットがあるなら、もう徹底的に研究するっきゃない感じですね。
「知識を身に着けるとなにをしても面白くなる」というのは、、この前たまたまバラエティ番組で見た、「日本の城にめちゃくちゃ詳しい9歳児」がそれに通じる部分があるなーとふと思ったりしました。
彼はめっちゃ城が好きで、自分で城の設計図を作って遊んじゃうくらい城に詳しいわけです。
僕たちが観光やらで姫路城やら神戸城を見るとき、「うわー、でけーなー」「きれいだなー」くらいにしか思わないですが、彼は見方がまったく違います。
「ここは攻める経路が一本しかなくて傾斜があるから、通るのに時間がかかるな」「あ、ここは槍を通す穴があるから、槍と矢で攻められて突破が難しいな」と、城を設計した意図を考えながら、実際に攻め落とす気持ちで見るわけです。
知識を身に着けることで、それ物事自体を面白く感じれるようになる、というのは、大事な視点だなーと思ったりしました。
■あきらめない!
トランプといえばよく取りだたされるのが、「アメリカの不動産王」と呼ばれていたところからの90億ドルの負債を抱えた転落、そしてそこからの復活劇でしょう。
約1兆円の借金とはさすがトランプ、桁が違います。
普通であれば破産申請をするところですが、彼は諦めることなく、ロスチャイルド家等から支援を得て、見事に「アメリカの不動産王」に返り咲くことになります。
この本の中でもそのことについて触れていますが、トランプは困難な事態が起こった時に、いつも考えていることがあるそう。
それは、「これはかすり傷だろうか、それとも致命傷だろうか? 取るに足らない不都合だろうか、深刻なトラブルだろうか?」というもの。
そして、それに対する答えを出せば、とるべき最良の道が見つかり、それに集中することができるとのこと。
問題や逆境に対処する方法として、トランプは以下のように説明しています。
ドナルド・トランプの問題対処法
1.一歩退いた視点から問題を見る
「これはかすり傷だろうか、それとも致命傷だろうか? 取るに足らない不都合だろうか、深刻なトラブルだろうか?」といったように、感情を交えず、客観的に状況を把握する。そして、様々な角度から問題を検討し、その原因を見つける。
2.状況を見据えた対処を取る。
原因がみつかったら、素早く、効率的で、コストがかからず、これから先もずっとその損害を食い止める方法をとにかくすべてリストアップする。それを挙げたうえで、考えて、実行に移す。
そのうえで、トランプは、「失敗したときは学べばいい」と言っています。学び続けていけば目標に近づくことができるし、なによりも挑戦すること、試みることに意義があるとのこと。
どんなときでも集中力と勢いを維持することが大事だと、この本では述べられています。
おわりに
紹介は以上になります。
他には、「物事には勢いというものがあるから、仕事のスピードを上げてそのペースを維持しろ!」という話も学びでしたね。
そうすることで物事を進めるスタミナも養われるとのこと。逆に、勢いを妨げる「惰性」「無気力」「ネガティブ思考」は即座に撃退しろとのこと。
できないから困ってるのに、「撃退しろ!」の一言で済ましちゃうのはさすがトランプですね(笑)
ちなみに、この本の訳者は田中孝顕さんという、ナポレオン・ヒルやらジョセフ・マーフィーやらのアメリカの自己啓発プログラムを日本に持ってきた人で、その業界では有名な人だったりします。
そんな人が訳されているので、「能力」という単語をいちいち「脳力」と訳されているのがちょっと鼻につく感じでした(笑)
まぁ、気持ちはわかるんですけどね。
それではまたー。