ろくに外食にも行かず、自分でプロレベルの料理を作ろうと悪戦苦闘する休日引きこもり男が運営する当ブログ。
以前、プロの技術を活用して最高においしい豚汁を作ったり、大量のあん肝を作ったりするなど、極々庶民の家庭ではおおよそ出てこないような料理をこれまで作ってきたりもしたわけですが、今回はその中でもかなり本格的な料理に挑戦しました。
それが、オーベルジーヌのカレー。

このオーベルジーヌは、芸能人のロケ弁の一つとしても有名で、芸人の小藪千豊が「すべらない話」で紹介したことでさらに有名になりました。
以前、オーベルジーヌの欧風カレーを再現しようと試みたことがあったのですが、その時は牛スジや牛骨、牛テールが売ってなかったため、泣く泣く鶏ガラともみじ、鶏もも肉で代用しました。
まぁそれでも十分美味しかったんですが、「やっぱり本来のビーフカレーとして作ってみたい……」という思いがずっとあったわけです。
そんななかで、いい感じの国産牛すじが売られているのを見かけたため、即購入。
今回は、そんな待望の牛すじと牛カレー用肉を使って、本格的にオーベルジーヌ風の欧風カレーを作っていきたいと思います。
やってみて良かったことや反省点、失敗した点なども併せて紹介しますので、参考にしていただければと思います。
材料
それでは、材料の確認です。
【約4人分】
肉&出汁
- 牛すじ … 300g
- 牛カレー用(すね or 肩ロース) … 400〜500g
- 水 … 約1.2L
野菜
- 玉ねぎ … 1.5〜2kg(大6個)
- にんじん … 1本
- セロリ … 1本
- にんにく … 3片
- 生姜 … 1かけ
- しめじ……一株(健康のため。本来は入れないです)
乳製品・調味料
- あらごしトマト…390g(健康のために入れただけで、本来こんなにいらないです。 ChatGPTは大さじ2推奨。なければケチャップでもよいかと)
- バター(無塩) … 50g+仕上げ用20g
- 生クリーム … 150ml(今回買い忘れたので不使用)
- 三温糖 or はちみつ … 小さじ1〜2
- 塩 … 適量
スパイス
- 花ベルカレー粉 … 大さじ3
- コリアンダー … 小さじ1
- パプリカ … 小さじ1
- ガラムマサラ … 小さじ½
- ナツメグ … ひとつまみ
生クリームについては、買い忘れました。
花ベルカレー粉については、前回の記事でも使用したものと同じで、Amazonなどで購入できます。
作っていく
それでは作っていきましょう。
前もって言っておきますが、今回は調理時間がかなりかかるため、もしこれを読んで作りたいと思った方は、休日などの時間に余裕があるときに作ることをおすすめします。
Step 1:牛すじブイヨンを取る
まず、牛すじを下茹でします。

牛すじを鍋に入れ、たっぷりの水を加えて5分ほど沸騰させます。
この下茹での目的は、臭みや余分な脂を取り除くことですね。
5分経ったらお湯を捨てて、牛すじを軽く水で洗います。

ちなみに、この時点で結構な量のアクや脂が出ているので、しっかり洗うのがポイントだったりします。
次に、圧力鍋に牛すじと新しい水(1.2L)、香味野菜を入れます。

香味野菜は、玉ねぎの皮、にんじんの端、セロリの葉などを使用。
これらを圧力鍋に入れて、高圧で30〜40分加圧します。
加圧が終わったら、自然減圧させます。
その後、牛スジを半分だけ取り除き、食べやすい大きさに切ります。

これは、サイコロ状牛肉と一緒に、カレーの具材として使用します。
そして、残った牛スジと野菜はハンドブレンダーでミキシングしていきます。

この瞬間は何度体験しても気持ちいいものです。
牛スジを一緒にミキシングすることで、牛骨の代わりになる”液体の旨味”になるわけです。

Step 2:飴色の玉ねぎペーストを作る
一旦スープを別のボウルに移したら、次に玉ねぎをスライスして、底1cmほどの水とバターと一緒に圧力鍋に入れます。

玉ねぎ1.5〜2kg(大6個)をスライスするのは、正直結構面倒です。
目も痛くなるので、冷蔵庫に余裕がある方は、痛み対策のために玉ねぎを冷蔵庫に入れるとよいでしょう。
そうしたら、10分ほど加圧します。
圧力をかけることで、玉ねぎが柔らかくなり、ピューレ化しやすくなるんですね。
終わったら、フライパンに移して、野菜類と一緒に炒めていきます。

しっかり炒めて飴色にしていくことが、このレシピの肝になります。
しっかり炒めたら、トマト缶を投入。

トマトペーストを炒めることで、酸味が飛んで、旨味が凝縮されます。
Step 3:カレー用牛肉を炒める
牛カレー用肉も、塩こしょうして焼き付けます。

こちらは説明上順番が前後してしまいましたが、玉ねぎを圧力鍋で加圧している間に行いました。
表面がしっかり焦げるくらいに焼くのがポイント。
この「焼き香」が、カレー全体の奥行きになるわけです。
このときに出た脂で、玉ねぎも炒めています。
Step 4:スパイスの香り出し
それが終わったら、ようやくスパイスです。
バターを溶かして弱火にして、にんにくと生姜を炒めます。

香りが立ったら、花ベルカレー粉、コリアンダー、パプリカを投入。

出来上がったら、先ほどの野菜類と一緒に炒めていきます。

Step 5:煮込み
これでようやく最後です。

すべてを一つのフライパンにぶち込み、弱火で1〜1.5時間コトコト煮込みます。
調味料や塩で調整しながら、アクを取り除いていきます。
煮込んでいる間は、部屋中にカレーの香りが広がって、もう待ちきれない状態になります。
Step 6:仕上げ
1.5時間ほど煮込んだら、火を止める直前に仕上げバターを入れて軽く混ぜます。
本来であれば、ここで生クリームも入れるべきなのですが、今回は買い忘れたため不使用。
最後にガラムマサラを加えて香りを締めます。
この際にはちみつや塩など、最終の味調整をします。
そして、出来上がりがこちら。

カレー皿が我が家にないので見た目が完全に家庭のカレーですが、まぁよいでしょう。
食べてみる
それでは食べていきます。

まず一口食べて、甘味の後に辛みが来る、あのカレーメシで食べたオーベルジーヌの感じが再現できているのを感じました。
花ベルカレー粉の複雑な香りと、玉ねぎの甘みがフルーティーで、スパイスの苦味が後半を引き締めている感じですね。
そして、何より強いコクと旨味。
前回の鶏ガラともみじ、鶏もも肉の時よりも、明らかに濃厚で深い味わいになっています。
牛すじのゼラチン質が、カレー全体にとろみと旨味を与えているんだと実感しました。
ただ、一方で気になる点も。
牛すじの風味が強く出すぎているんですね。
恐らく、牛すじの一部をミキシングして戻したことが影響していると思われます。
牛すじ特有の独特な香りが、カレー全体に広がってしまっている感じがしました。
まぁ、それでも十分美味しいんですが、「改善の余地はまだまだあるな」と思わせられる出来でした。
終わりに
いかがだったでしょうか。
やってみた感想としては、「カレールーでは表現できない濃厚で美味しいカレーができた」という満足感がありました。
調理時間は初めてということもあり相当かかり、日をまたいで作ったりもしましたが(夏場なら詰んでた)、そのぶん感動もひとしおでした。ほどかかりましたが、その分の価値は十分にあったかと。
反省点としては、牛すじの風味が強く出すぎたことと、生クリームを買い忘れたことですね。
次回作る際は、これらの点を改善して、さらに美味しいオーベルジーヌ風カレーを目指したいと思います。
また、あまり関係はありませんが、当ブログでは他にもマニアックな料理を扱ったり珍しい魚を食べたレビューなどを行っているので、興味がある方は是非そちらもご覧をいただければと。
それではー。



