つい最近、究極の欧風チキンカレーを作りました。
凄まじく工程の多い調理でしたが、ある程度のやりがいも感じられ、このことがあってからというもの料理に対するモチベーションが上がってきています。
そんな中、今回挑戦したいのはこちら。

京都豚骨醤油ラーメン。
豚骨のコクと鶏ガラの旨味を合わせた、濃厚ながらも後味の軽い、やや透ける茶濁スープ。
そこに九条ねぎや薄切りチャーシューをのせ、キレのある醤油だれと香味油が全体をまとめる。
チェーン店だと、ラーメン藤や魁力屋が有名ですね。
これが家で食べられるなら、控えめに言って最高でしょう。
そんなワクワク感を胸に早速仕込んだわけですが、まさかの緊急事態が発生しました。
今回は、他の料理上手たちのブログでは見られない、残念な失敗の様子まで含めて、赤裸々に紹介していきたいと思います。
それでは、いってみましょう!
材料
それでは、材料の確認です。
今回も例の如く、ChatGPTに相談をして、京都豚骨醤油ラーメンのスープレシピを組み立てました。
【スープ(約2L分)】
- 豚げんこつ……1kg(割れているもの)
- 鶏ガラ……2羽分
- 長ねぎ青い部分……2本分
- 玉ねぎ……1個(皮ごと)
- にんにく……4片(皮付き)
- 生姜……30g(スライス)
- 水……適量
ChatGPT曰く、意外と重要なのは玉ねぎらしく、皮ごと使うことで、甘みと深み、そしてあの琥珀色が出るとのこと。
ちなみに初期のレシピには「圧力鍋に昆布をぶっ込む」というドロドロ待ったなしの凄まじい内容をChatGPTさんが提案してくれましたが、ここは筆者の理性のフィルタリングにより排除しました。
まだまだ手放しに信頼できるまでのクオリティではないようです。
また、このことをダメ出ししたところ、謝ることもせず、こちらを持ち上げることでしれっとかわしてきました。

まぁ、普段からお世話になっているのでよしとしましょう。
スープを仕込んでいく
それでは仕込んでいきましょう。
まず、豚げんこつと鶏ガラを下処理していきます。
これらを鍋に水を張って投入し、水を換えながら一晩血抜きをします。

その後、豚げんこつと鶏ガラは、沸騰したお湯で5分ほど茹でてアクと臭みを取ります。
茹で上がったら流水で洗い流し、圧力鍋に豚げんこつ、鶏ガラ、長ねぎ、玉ねぎ、にんにく、生姜を入れて、水をひたひたになるまで注ぎます。

加えて、今回はチャーシュー用のブロック肉も投入しました。
そして、圧力鍋の蓋を閉めて、高圧で15分加圧。
その後減圧をしてチャーシューを取り出し、再び45分程度加圧していきます。
加圧が終わったら、圧が抜けるまで自然放置します。
まさかの乳化事件
60分の加圧が終わり、圧力鍋を開けてみると、底が焦げることもなくいい感じのスープが出来上がっていました。

そのまま、水分を飛ばしてより濃厚にするために煮炊いていきます。

普段であれば、麺棒でガラを小突きながら煮立ててスープを仕上げていくところです。
しかし、この時既に午後22時。
お酒を飲みながら脳内お花畑状態のルンルン気分で作っていた筆者は、驚きの行動に出ます。
それが、ミキシング。

まさかの、完全乳化。
いや、「まさかの」は正確ではない。
ミキシングというのは、ハンドブレンダーでスープをガーッと撹拌して、骨髄や野菜の旨味を完全に溶け込ませる技法。
そしてこれは、もともとスープを簡単に乳化させるための技術なわけです。
それをパッパラパーの状態の筆者は、最近ハマっているハンドブレンダーを使いたいという理由だけで行ってしまいました。
京都豚骨醤油ラーメンは、非乳化の澄んだスープが特徴。
これでは、目的に合ったスープにはなりません。
詰んだ。
さらに、冷静に考えてみると、圧力鍋で一緒に煮込んだチャーシューは、ホロホロになりすぎていて薄切りにできません。
完全に詰んだ。
ここで、京都豚骨醤油ラーメンへの希望は、完全に途絶えました。
二郎系ラーメンでお茶を濁す
さて、どうしたものか。
スープは乳化してしまったし、チャーシューもホロホロ。
ただ、目的にはそぐわないものの、良質なスープであるのは事実。
そこで悩んだ挙句、二郎系ラーメンを作ってお茶を濁すことにしました。
二郎系ラーメンなら、乳化スープは正解の一つ。
チャーシューも厚切りなので、崩れていても問題ありません。
さらに言うなら、カエシのニンニクと脂のインパクトさえあれば、ぶっちゃけ二郎系は成り立ってしまいます。
そんなわけで、急遽方針転換して、野菜マシマシの二郎系ラーメンを作ることに。
とりあえず、ざると粉ふるいによる裏ごしを二段階行い、ガラや繊維を取り除きます。

実に白濁としております。
そして、二郎系のために、極太の中華麺を購入。
カエシは目分量ながら、おおよそ以下の感じで作りました。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 濃口醤油 | 大さじ1と1/2(約22ml) |
| 薄口醤油 | 小さじ1 |
| みりん | 小さじ1/2 |
| 酒 | 小さじ1 |
| 砂糖 | ひとつまみ(好みで) |
| 味の素 | 適量(結構入れる) |
| にんにくスライス | 1枚 |
スープにラードを追加し、カエシとスープ、太麺をもやし、キャベツ、ニンニクをドーン。
そして、煮卵と厚切りのチャーシューをトッピング。

まぁ、見た目はそれっぽくなったかと。
食べてみると、スープ自体はかなり美味しい。
豚骨と鶏ガラの旨味がしっかり出ていて、濃厚で深みのある味わいです。
ただ、これは京都豚骨醤油ラーメンではない。
あくまで二郎系ラーメンです。
いや、なんなら二郎系も背ガラとげんこつで煮炊いた豚骨スープだから、正確には二郎系ですらないです。
まぁ、今回は美味いからよしとしましょう。
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回は、京都豚骨醤油ラーメンを作ろうとして、まさかの乳化事件が発生し、結局二郎系ラーメンでお茶を濁したという顛末を紹介しました。
ミキシングをすれば美味しくなると思い込んでいたわけですが、非乳化スープを作る場合には絶対にやってはいけない技術だったわけです。
ただ、スープ自体はまだたっぷり残っています。
調べたところ、このスープに施せる対策も見つかったので、次回こそは京都豚骨醤油ラーメンを完成させたいと思います。
それではー。



