一般家庭の底意地を見せるため、あくなき料理の探求を続ける当ブログ。
以前、圧力鍋を使って簡単にラーメン屋レベルのチャーシューを作る方法を紹介したわけですが、圧力鍋には1つの欠点がありました。
それは、高圧で一気に火を通すため、水分と旨味が抜けてパサつきやすいということ。
もちろん二郎系のワシワシしたチャーシューを作りたい場合はそれで十分ですが、京都風の豚骨醤油ラーメンのような、しっとりジューシーなチャーシューを作りたい場合はどうすればいいのか。
そんなわけで今回は、少し時間はかかるけれど、噛むと旨味がジュワッと染み出るタイプのチャーシューの作り方を紹介する内容となっております。
それでは、いってみましょう!
材料
それでは、材料の確認です。
- 豚バラ肉(ブロック)……400〜500g(豚肩ロース肉でも可)
- 醤油(濃口)……100ml
- みりん……50ml
- 酒……50ml
- 砂糖……大さじ1
- にんにく……1片(潰す)
- 生姜……1片(スライス)
- 長ねぎの青い部分……1本分(←今回はなかったので不使用)
- 水……100~300ml(煮汁の調整用)
前回の圧力鍋版との違いは、みりんを使っている点。
前回のレシピでみりんを使わなかったのには理由があって、みりんを入れた状態でタレと肉を強火で熱すると、たんぱく質が収縮してチャーシューが固くなってしまうため。
今回は弱火での調理法のため、みりんを入れても問題ありません。
(今前回の記事を読み返してみると、時短を目指しすぎて、チャーシューと一緒に煮込みすらしていなかったので、これもあまり意味がありませんでしたが)
また、肉については今回は豚バラブロックを使用していますが、肩ロースを使えば、より肉々しさがでるかと思います。
ちなみに肉は常温に30分ほど戻しておくと、火の通りが均一になるのでおすすめです。
作っていく
それでは作っていきましょう。
まず、香味野菜の準備から。
にんにくは潰し、生姜はスライスし、長ねぎは適当な長さに切ります。

次に、フライパンで豚肉の全面にしっかり焼き目をつけていきます。

この工程が、チャーシューに香ばしさを与えて味を格段に上げてくれるわけです。
また、油は引かずに、肉の脂だけで焼いていきます。
各面2〜3分ずつ、きつね色の焼き目がつくまでじっくりと。
その間に、鍋に調味料を入れて準備をしていきます。
醤油、みりん、酒、砂糖、水を鍋に入れ、香味野菜も全部投入。
そして、焼き目がついた肉を鍋に入れて煮立てます。

煮立ったら弱火にして、蓋をして1時間〜1時間15分ほどじっくり煮込みます。
ちなみに、この際に煮詰まりすぎると焦げて味が悪くなってしまうので、時折鍋を見ながら、水を適宜足して煮込んでいきます。
途中で1〜2回ひっくり返すと、まんべんなく味が染み込んでいい感じになるかと。
煮詰まってくるといい感じに泡立ってきて、部屋中に甘辛い香りが漂ってきます。
そして1時間ほど経つと、こんな感じに。

煮汁がいい感じにトロッとしてきて、肉にもしっかり色がついています。
ここで重要なのが、火を止めて汁に浸けたまま冷ますこと。
最低でも2時間、理想は一晩放置することで、味が中までグッと染み込むわけです。
そんなこんなで冷まして、冷蔵庫にしまいました。
そして、切り分けたのがこちら。

上が今回作ったもので、下が前回のレシピで作ったもの。
部位が違うのでわかりやすい比較にはならないですが、下の肉の方が、端がパサついているのが見てわかります。
対して、今回作ったものは肉の形そのままになっており、薄切りをしても崩れません。
かなりいい感じに仕上がったかと。
これを今回はレンジで加熱していただきます。
食べてみる
それでは食べていきます。

下の前回のレシピのものですが、味はよく染み込んでいて普通に美味しいです。
二郎系の、野菜と麺と一緒にもしゃもしゃ食べるのに最適なチャーシューですね。
次に上の方の今回のレシピのものですが、食べ比べてみると、脂身もプリプリとしていて、圧倒的にジューシーです。
前回の圧力鍋版と比べて、肉の繊維がしっとりと保たれていて、噛むとじゅわっと旨味が染み出してくる感じ。
肉々しさがきちんと残っているのがいいですね。
圧力鍋版はどうしてもホロホロに崩れる感じになるわけですが、こちらは適度な歯ごたえを残しつつジューシーでいい感じ。
ちなみに、今回のチャーシューの煮汁は、ラーメンのスープに入れるかえしとしても使えます。
濃厚な豚の旨味と醤油の香りが溶け込んでいて、これだけでご飯が進むレベルです。
前回との比較・使い分け
そんな感じで完成したわけですが、前回の圧力鍋版との違いを最後にまとめておきたいと思います。
圧力鍋版のメリット
とにかく時短
加圧15分+放置30分で完成するので、トータル1時間かからないわけです。
忙しい日でもサクッと作れるのが最大の魅力。
ワシワシした食感
二郎系のような、ガッツリとした食べ応えのあるチャーシューが好きな人には圧力鍋版がおすすめ。
脂が抜けやすい
こってりが苦手な人や、さっぱりしたチャーシューが好きな人向け。
今回の弱火煮込み版のメリット
しっとりジューシー
肉の水分と旨味がしっかり残っていて、噛むと口の中でジュワッと広がるわけです。
京風豚骨醤油ラーメンのような、上品なラーメンに合うチャーシュー。
煮汁が万能
弱火でじっくり煮込むことで、煮汁に肉の旨味がギュッと凝縮されているわけです。
これをラーメンのかえしとして使うと、スープが一気にプロの味に。
肉々しさが残る
適度な歯ごたえがあって、「肉を食べている」感がきちんとあるのがいいですね。
使い分け
結論から言うと、こんな感じの使い分けがおすすめです。
- 二郎系・家系など濃厚ラーメン → 圧力鍋版
- 京風豚骨醤油・中華そばなど上品なラーメン → 弱火煮込み版
- 時短したい → 圧力鍋版
- じっくり旨味を引き出したい → 弱火煮込み版
今後は、作るラーメンの種類に合わせて使い分けていきたいと思います。
終わりに
いかがだったでしょうか。
やってみた感想としては、手間は多少かかるものの、その分の価値は十分にあったと思います。
ガス代も、圧力鍋が沸騰するまでの最初の強火のことを考えると、トントンくらいじゃなかろうかと。
今後、京風の豚骨醤油ラーメンを作る際は、このレシピで行きたいと思います。
また、あまり関係はありませんが、当ブログでは昔ながらの中華そばを作ったりするなど、いろいろとラーメンに関する記事を載せているので、よければそちらもご覧をいただければと。
それではー。




