100日後に死ぬワニが、今日95日目を迎えた。
残された時間は、5日。
できるならば、死んでほしくない。
舌をピロピロ出して子どもをあやす、あの心優しいワニが死にゆく姿を、僕は見たくない。
友達たちとラーメンを食べたりゲームをする、あの何気ない日常が終わってしまうのは、考えたくもない。
ワニに彼女ができたときは、爆発すればいいのにってちょっと思ったけど。
でも、残り8割くらいは死んでほしくないし、爆発もしてほしくない。
彼が死んだら、プロゲーマーの夢はどうなるのか。
あのネズミや、モグラなのかカワウソなのかラーテルなのかよくわからんあの友達は?
残された彼女の今後は?……それは、どうでもいいか。
でも、僕たちはなにもすることはできない。
僕は、無力だ。
そんな僕にできることは、なんなのだろうか。
次元の壁を隔てた、一介の平民に過ぎない僕にできることは?
それは、ワニのことを忘れない、ということではないだろうか。
ワニが今度どうなるのかはわからない。
僕は唯一非リアのネズミがヤケになっちゃって危害を加えた「ネズミ犯行説」だと思っているけれども、実際はどうなるかわからない。
僕たちにできることは、たとえ死んでしまったとしても、ワニのことを忘れず、ワニはいつだって僕たちの側にいるんだって想うことじゃないだろうか。
そう、例えば、胃袋とかに(物理)
そんなわけで、僕は買ってきた。
それが、どん。
ワニ。1kg。ちなみにこれはテール、つまり尻尾の部分だ
そう、ここの部分だ。
ちなみに、こちらのお値段、税抜きで4,980円。
税込みでグラム500円ちょっと。精肉コーナーを見たら、普通に和牛ステーキと同じくらいだった。
でも、ワニのためなのだから仕方がない。
すべては、ワニを、忘れないため。
ではさっそく、これを調理していく。
【調理】すべてはワニのために~Forever Friends~
ワニの調理法。
そんなものは、買う前から決まっていた。
ワニのことを忘れない。そのことを念頭に置けば、もはや答えは決まったようなものだった。
なによりも、ワニの食感、そして風味を感じられるように。
そう。シンプルな塩焼きが一番だと判断した。
まずはフライパンにをひいていく。
この油も、ワニの風味を損なわないように米油を使用している。
そこに、ワニの切り身を投入して、岩塩とブラックペッパーを加えていく。
そして表面にある程度火が通ったら、日本酒を入れて蒸し焼きにしていく。
そして、出来上がったのが、これだ。
どうだろうか。
意味もなくレタスなんぞ添えたりしてみた。
見た目は、特に違和感はない。
普通の白身魚、といった感じだ。
ともかく、大事なのは味だ。
早速、実食にうつっていく。
【実食】ワニ、君を感じる~I Eat A Crocodile~
ここからは、このワニを食べてみた感想をお伝えしたい。
しかしながら、諸事情により、冷静さを保って感情を乗せて伝えることは不可能だと判断した。
そのため、レビュー的に、ごく淡々と、ワニの塩焼きの味について触れていきたい。
「ワニの塩焼き」の評価
【風味】☆★★★★
肉自体に特別変わった味がするわけでもない。噛み応えのある堅めの白身魚、といった感じ。
ただ、独特のクサみのようなものはある。
これを例えるとするならば、なんだろう。
あれだ、近所の田んぼだわ。小5のとき自由研究のためにミジンコを取った近所の田んぼの臭いだわ。
肉厚の白身魚を、近所の田んぼにしゃぶしゃぶ感覚でくぐらせたのがワニ肉と思ってもらえれば、想像しやすいだろう。
それに、肉はいいんだけど、ひどいのが脂身。
テールだから脂が多いのだけれど、よりにもよってその脂に、クサみが凝縮されている。
脂身を噛みしめた瞬間、口の中がドブになる。
【食感】☆★★★★
肉は、かなり歯ごたえのある白身魚、といった感じ。食べれなくはない。
ただ、ひどいのがやはり脂身。
気になった方は一度食べてほしいんだけど、この脂身の食感が、本当に「寒天」。
噛みしめるたびに寒天のごとくボロボロと割けていき、そこからドブのようなクサみが充満する。
誰だ、これを出荷した奴は。
【香り】☆★★★★
近所の田んぼ a.k.a ドブ。
【総合評価】☆★★★★
田んぼのようなクサみがある硬い白身魚に、ドブで作った寒天がこびりついてる感じ。
これは、罪深い。
・・
・・・
・・・・・
そう、結論、ゲロまずかった。
【結論】届け、ワニへの想い~For Your Destiny~
食べて気づいたことは、二つ。
第一に、「ワニは好んで食うものではない」。
第二に、「もし食べるのであれば、食えるように処置を施さねばならない」。
そう、食感だとか風味だとか、甘いことを言っていたのが間違いだった。
特に、ワニの風味は、消さなければならない。
もう一度言う。
ワニの
風味は
消さなければ、ならない………!!!
これから100日目を迎えるまで、「最適なワニの食い方」について考えていきたいと思う。
ワニには、これからの記事を弔いの言葉として、受け取ってもらいたい。
それでは、また明日。
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