白いトウモロコシ。
それは、全てのとうもろこし愛好家たちの、憧れ。

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………。
……………。
いや、実際どうなのかは知らないです(言いたかっただけ)
前書き
さて、普段はスーパーの鮮魚コーナーを漁っている当ブログ。
今回は青果コーナーで見慣れない食材を発見したので、衝動買いをしてまいりました。
それがこちら。

こちらは、真珠もろこしと書かれたパッケージに入ったとうもろこし。
とうもろこしといえば、夏祭りの屋台でお馴染みの黄金色の粒々が思い浮かぶでしょうが、こちらは違います。
恐らくは、白いとうもろこしの品種の中の、真珠もろこしというブランド名なのでしょう。
今回は、このとうもろこしを食べてみて、食べ慣れているとうもろこしとの違いを検証していきたいと思うのですが、それだけではつまらないので、これを機にとうもろこしの品種について調べ上げて、おさらいしていきたいと思います。
真珠もろこしの味が気になって仕方ない方の他、特にとうもろこしに興味はないけれど、豆知識をこしらえたい方や、知的好奇心を満たしたい方は是非最後までご覧いただければと。
それではいってみましょう!
とうもろこしの品種について
そもそも、皆さんは「とうもろこし」がどれほど多様な品種を持つ作物かご存知でしょうか。
我々が普段食べているのは、実はとうもろこし全体のほんの一部に過ぎません。
とうもろこしは大きく分けて、スイートコーン系統、デントコーン系統、フリントコーン系統、ワキシーコーン系統の4つに分類されます。
まず、我々が普段食べているもののほとんどがスイートコーン系統にあたります。
スイートコーン系統
スイートコーン系統は、糖度が高く、生でも食べられるほど甘いのが特徴。現在の日本で主流となっているのはこの系統です。
その中でも、色によって大きく3つに分けられます。
イエローコーン

我々が最も馴染み深いのが、このイエローコーンでしょう。
「ゴールデンラッシュ」「サニーショコラ」「恵味」「味来」など、聞いているだけでも美味しそうな品種名が並びます。
黄色い色素は、主にカロテノイドという成分によるもので、これがとうもろこし特有の濃厚で力強い甘みを生み出しています。ベータカロテンも豊富で、栄養価も高いのが特徴です。
バイカラーコーン

驚くべきことに「バイカラーコーン」なるものも存在します。これは黄色と白の粒が混在したもので、「ピーターコーン」「甘々娘」といった品種があります。
その美しさはまるで、自然が作り出したモザイク画のよう……(遠い目)
……はい、次にいきましょう。
ホワイトコーン

そして今回の主役が、このホワイトコーンです。
ホワイトコーンと一口に言っても、実はその中にもさらに細かい品種が存在します。「雪の妖精」「ピュアホワイト」「クリスピーホワイト」「真珠もろこし」など、名前からして美しいです。
ホワイトコーンには、カロテノイドがほとんど含まれていません。その代わりに、より純粋な糖分の甘みを感じることができるのです。
つまり、黄色いとうもろこしは「カロテノイド風味+糖分の甘み」、白いとうもろこしは「純粋な糖分の甘み」ということになります。
デントコーン系統
デントコーン系統は、主に飼料や工業用途に使われます。粒の上部が凹んでいるのが特徴で、別名「馬歯種」とも呼ばれます。
実は、ポップコーンの原料もこのデントコーン系統が使われることが多いのです。
飼料用デントコーン

主に家畜の飼料として使用される品種群ですね。
確かに、牧場の餌にとうもろこしってよくあるイメージ。
「ホワイトデント」「イエローデント」などがあります。
工業用デントコーン

コーンスターチやコーンシロップの原料として使用されます。「ハイアミロース種」などの特殊な品種も開発されています。
ポップコーン用デントコーン

実は、我々に馴染み深いポップコーンも、主にこのデントコーン系統から作られます。
ポップコーンには大きく分けて2つの形状があります。
バタフライ型(スノーフレーク型)は、弾けた時に不規則な形になるタイプで、映画館やお祭りでよく見かける一般的なポップコーンです。軽くてサクサクした食感が特徴。
マッシュルーム型は、弾けた時に丸くまとまった形になるタイプで、キャラメルポップコーンやチョコレートポップコーンなど、コーティング系のお菓子によく使われます。密度が高く、しっかりした食感です。
どちらも同じとうもろこしから作られているのに、品種の違いでこれほど形状が変わるのは興味深いですね。
フリントコーン系統

フリントコーン系統は、硬質コーンとも呼ばれ、粒が非常に硬いのが特徴です。
食用フリントコーン

トルティーヤの原料として使われることが多く、主に「ホワイトフリント」「ブルーコーン」などがあります。
観賞用フリントコーン

「インディアンコーン」とも呼ばれ、ハロウィンの装飾などに使用される色とりどりの品種群。
ワキシーコーン系統

ワキシーコーン系統は、でんぷんの性質が特殊で、もち性を持つのが特徴です。
もちとうもろこし

アジアではもちとうもろこしとして親しまれています。「ホワイトワキシー」「ゴールドワキシー」などの品種があります。
工業用ワキシーコーン
工業用のものもあるそうです。
特殊なでんぷんを利用した工業製品の原料として使用されます。
調理して食べてみる
それでは、うんちくが終わったところで調理に入っていきます。
普通のとうもろこしを茹でたり焼いたりするのもいいのですが、今回は手軽で確実な方法を選択しました。
そう、電子レンジ調理です。
レンジで5分の調理法
まず、真珠もろこしを軽く水で濡らします。この「軽く濡らす」というのがポイントらしいです。
そして、そのまま電子レンジに入れて600wで5分待ちます。

焼くでもない、茹でるでもない。
濡らしてレンジで5分。
これ以上にシンプルな調理法があるでしょうか。
そうして出来上がりがこちら。

では、こちらを実食していきます。
実食とイエローコーンとの比較
皿に移して、食べてみました。

第一印象、確かに黄色いとうもろこしとは少し違う味わいでした。
まず感じるのが甘さの質の違い。個人的な感想ですが、イエローコーンよりもより繊細で上品な甘みである気がします。
風味としてはわりと淡白です。イエローコーンのように独特の風味を持っているわけでもなく、すっと抵抗なく食べられる感じです。
調理法についても、「濡らしてレンジで5分」なら、洗い物も最小限で済むのでいい感じ。
こちらの方法はその他のイエローコーンでも使えるので、よければ試してもらえればと。
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回はとうもろこしの品種について詳しく紹介しましたが、実際に食べてみると、品種による違いの大きさに驚かされます。
真珠もろこしという食材に出会えたこと、そして「濡らしてレンジで5分」という魔法のような調理法を知ったことで、また一つ食生活が豊かになりました。
もしスーパーで真珠もろこしを見かけたら、その違いを試してみても面白いかもしれません。
当ブログでは、料理ガチ勢の筆者が色々探求したレシピも公開しているので、よければこちらも見てもらえればと。
それではー。




